シンガポール ダイジェスト3 2018年6月 スタートアップハブ

シンガポールダイジェストは今回が最後です。

(シンガポール ダイジェストその1はこちら、その2はこちら

BSジャパン 日経プラス10 イノベーションどう生み出す!?先進シンガポールの突破力

今回行く直前に、たまたまテレビ番組「BSジャパン 日経プラス10 イノベーションどう生み出す!?先進シンガポールの突破力」を観ました。

メモから抜粋すると
・スタートアップ支援企業(スタートアップハブ?)
・SPECTRUM
https://www.spectrum.global/
・thebridge
https://thebridge-asb.com/
Plug-in@Blk71
NUSエンタープライズとの協業
※シンガポール国立大学(National University of Singapore/NUS)
https://www.worksight.jp/issues/538.html

・電動キックスクーターのシェアリングサービス「Telepod」
https://japan.cnet.com/article/35104102/
・セントーサケーブルカーからの景色

などが、印象に残りました。
全部見てみたかったのですが、やはり1日では限界があり、SPECTRUMはビルの外観だけ、thebridgeとTelepodは見送りました。

SPECTRUM

Bugis駅という比較的街中、ラッフルズホテルからもほど近く、良い立地のところに巨大な、そして特徴的な、きれいなビルが建っており、この中に入っているということです。

このビルだと、それなりの設備が期待できると思いますが、固定デスク一つ借りるようなプランで、600Sドルから。5万円ですか。

https://www.spectrum.global/memberships/
ただし、場所借りだけでなく、コンサルティング的なものも含まれるようです(経済情勢レポートとか、イベント参加とか)。

シンガポールでも色々あるわけですが、ちなみに東京と比較してみましょう。

東京のスタートアップハブ

まず、スタートアップハブという名前を掲げて、SPECTRUMとも同様のサービスを提供していると思われる、Startup Hub Tokyo。
https://startuphub.tokyo/
「Startup Hub Tokyoは東京都からの委託を受けて株式会社ツクリエが運営しています。」とあり、Webサイトも、東京都中小企業振興公社がやっているTOKYO創業ステーションのサイトに紐づけられています。TOKYO創業ステーションとしても、コンサルティング、セミナー開催、施設提供を行っていますが、その関係性は分かりにくい気がします。
それはさておき、内容としては、部屋貸しではなく作業スペース貸しのイメージでしょうか。会員制サービスですが、会費は基本無料という太っ腹。保育サービスもありますよ、とこの辺は何がStartup Hub Tokyoのサービスで、何がTOKYO創業ステーションのサービスなのかわかりにくい…

と見てると、むしろ、TOKYO創業ステーションの方がSPECTRUMに近いか。こちらは、施設提供という面では、現時点で5カ所のオフィスの情報を提供し、補助を行ったりもしています。現在入居者募集中の白鬚西R&Dセンターというところを見ると、貸付料:毎月支払総額27,090円~95,131円とありますので、金額的にはデスク一つ5万円よりは割安なのかもしれません。

あるいは、レンタルオフィス、コワーキングスペースという切り口で探してみても、同様のサービスが見つかるかもしれません。
例えば、ビジネスエアポート。
スペース貸し、部屋貸し、両タイプありますが、例えばスペース貸しだとこんな感じ。
https://business-airport.net/share_work_place/

さらに言えば、Yahoo!のLODGEなんかも、目的は同等で、無料キャンペーン継続中です。

最初に5万円という基準を持って各所見てみると、割と東京で受けられるサービスもリーズナブルなのでは、と思えてきます。

その他の地域のスタートアップハブ

日本の各地のサービス

探してみると、こういったサービスに力を入れている自治体も多いようです。
一例として、宮崎市。
http://www.miyazaki-cci.or.jp/support/
会員の種類によって期間が変わりますが、施設無償利用等できるとのこと。
http://www.miyazaki-cci.or.jp/support/news/2018/04/post-19.html

カナダ

今回帰りの飛行機用に買った雑誌「Inc.」。
https://www.inc.com/
Webサイトのタイトルが「Small Business Ideas and Resources for Entrepreneurs」となっている通り、スタートアップ向け情報満載です。
そして、その中の記事で取り上げられているのが、カナダ。ニューヨークやサンフランシスコより安いよと。
数字として挙がっているのは、All-in cost of premium office spaceが、ニューヨーク95ドル、サンフランシスコ111ドルに対して、トロントは69ドルですと。
どの程度のものが想定されているのか分からないので何とも言えませんが。

ワシントンD.C.

こちらの記事だと7位にランクされています。
https://www.businessinsider.jp/post-102899
夏に見に行くのでお楽しみ。
https://wamu.org/story/14/11/13/dc_going_from_a_government_town_to_tech_hub/

Plug-in@Blk71

そして、ここが本題です。

NUSのビジネススクールは土曜日で閑散としてましたので、パンフレットだけもらって通り過ぎ、こちらに向かいました。

行く途中にシェアサイクルが乗り捨てられており、そんなところに雰囲気を感じ始めます。

しばらく歩いてそれらしい建物群が見えてきました。Inov8とか、名前付けうまい!そして、あちらこちらにNUSマークが掲げられて、産学協同なのかな、という雰囲気を醸し出します。

最初、間違って違う建物に入ってしまいました。要は、建物自体は、割と立ち入り自由。
普段は、オープンエアのテーブルで、異なる事業者同士が会話したりするのかな、という様子も見受けられます。
ちょっと土曜日というのは失敗だったかもしれません(も休みを持ってもう一日早く来る、という選択肢はなかったので、やむを得ないのですが)。

ですので、お目当てのPlug-in@Blk71も、閑散としていました。

一瞬入っていく人がいたので、中も激写しましたが、実際の雰囲気はうかがい知れず。

こちらの記事も詳しいので、参考になるかと思います。
https://www.worksight.jp/issues/538.html

ただ、ここで働きたいかな・・・というのが第一感想。
トイレも汚そうだし(そもそも、シンガポール全体でシャワートイレには出会えなかったですし)、建物としてのセキュリティは大丈夫かなという感じですし、街中から遠いし(日本の通勤から比べたらたいしたことではないかもしれませんが)、お昼とかどうしているんだ?という感じです。

強みは、上記記事によると、シングテルのベンチャーキャピタルである「Innov8」の存在のようにも思われます。けど、それはシンガポールの中では、という話であって、世界で見たときに、アメリカよりも、日本よりも、シンガポールに行きたい、と思わせる何かがあるのか、ちょっと上っ面の見学だけでは分かりませんでした。

そして、そう考えると、日本に人が集まっても全然不思議ではないと思ってしまうのですが、よく言われるのは、シリコンバレーにしろ、シンガポールにしろ、熱い場所には熱い人が集まっているということ。だから、そこに行きたいと思うのだということ。
そうすると、日本は熱い人が集まっているように見えない、ということなのでしょうかね。言葉の壁?もっと飛び込んでみないと分からないのかな…

ここで、たまたまこんなニュースが流れてきました。
ベンチャー企業を5年で20社創出 政府の成長戦略素案

ユニコーン企業

このニュース、タイトルの「ベンチャー企業20社」だけ見ると、意味を取り違えそうです。
ここで20社と言っているのは、単なるベンチャー企業ではなく、ユニコーン企業と言われるれべるのベンチャー企業です。
「ユニコーン企業」とは、設立10年未満で10億USD以上(日本円で1070億円程度)の企業価値を上回る未公開企業、という割と明確な定義があるようです。
この基準に照らして、2018年3月時点で日本ではメルカリだけ、もうすぐ入りそうなのがプリファード・ネットワークスとのこと。
https://glotechtrends.com/global-unicorn-180410/
(と言っている間にメルカリは今月上場だそうで、日本のユニコーンは0になってしまう?)

単なるベンチャー200社だと、それだけ?と思ってしまいそうですが、これくらいの規模の未公開企業を育てようとするならば、そんなに多数は難しそうです。

では、世界的にユニコーン企業とはどれくらい存在するのか。
「CBinsightsの統計では、2018年3月時点で237社のユニコーン企業が世界に存在し、うち118社(49.78%)をアメリカ企業、2位の中国が62社、イギリス13社、インド10社、ドイツ4社と続いている。」
ニュース元によっては、「中国の2017年時点のユニコーン企業は前年の131社から33社増加し164社」とも。
https://www.businessinsider.jp/post-165094

あるいは、こちらで見ると、
https://www.cbinsights.com/research-unicorn-companies
プリファード・ネットワークスも既に入っていて日本が2社、シンガポールはGrabTaxiの1社です。Grabか!

まとめ

しまらなくなってきたので、まとめますと、シンガポールはこれくらいの記事を書こうと思うくらい熱い国ではありました。
しかし、日本はシンガポールや、あるいはアメリカや中国と戦えないのか、という気持ちも改めて湧いてきました。

結論はきっと戦う人にしかわからない、ということなのでしょう。

おしまい

by カエレバ