デザイン・ガバナンス(「建築家であること」より)

大江匡さんのインタビューより。
建築の世界では、組織事務所とアトリエ派という分類の仕方があるそうです。大江さんは、アトリエ派はテクノロジーをアートから分離させた結果、クライアントから見放され、仕事の幅も住宅と公共建築のコンペしかなくなっていると批判しますが、他方「大手事務所は、デザイン・ガバナンス(管理)ができていません。組織事務所とはいえ、意外と属人的なところがあって、ものすごく良いデザインもありますが、確率的にはひどいデザインが多い。」と言います。
これは、情報共有という問題が絡むと思いますが、ナレッジマネージメントだとか何だとか言って、情報共有システムを生かそうとしても、本質は違うのかも知れないというのが、最近感じていることです。ちょっと昔の例で、アサヒビールの営業ノウハウのシステムなんかがよく話題になっていたように思いますが、そういうノウハウの共有のようにうまくいく例もあれば、行かない例もありますよね。アプリケーションの設計・プログラミングといった技術の伝達は掲示板システムのような場では十分にはできないのではないか、やはり弟子は師匠に付いて一緒に仕事をする必要があるのではないか。そういう意味で、ペアプロができるチームというのは、そのこと自体組織として成長できるチームであることを示しているような気がして、うちのチームはもう一皮向けないといけないかなと考えたりして・・・。